褐色細胞腫とは副腎髄質細胞から発生するカテコールアミン産生腫瘍である。
カテコールアミン大量に産生するので、高血圧や代謝亢進などの症状を引き起こす。
高血圧の治療としては、α1受容体拮抗薬が用いられるがβ遮断薬の単独投与は原則禁忌となっている。
この理由としては、過剰に産生されるカテコールアミンはα受容体を介して血管収縮を引き起こしていると考えられているからである。
β遮断薬の単独投与は原則禁忌であるが、これはβ遮断薬を使うことによって相対的にα受容体の血管収縮作用が亢進して高血圧クリーゼを引き起こしてしまうからである。
そのように考えると、カルシウム拮抗薬やACE阻害薬も降圧作用を期待できるが、褐色細胞腫に関してはα遮断薬が最も効果的で第一選択である。