MRSAとは、メチシレン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin-Resistant Staphylococcus Aureus)のことであり、院内感染菌として重要視されている。
黄色ブドウ球菌の治療薬はペニシリンだが、このペニシリンはβラクタム系と言われており、細胞壁合成阻害剤として機能する。
耐性機序
しかし、このMRSAというものは、もともとβラクタム系のターゲットであった細胞壁合成酵素であるペニシリン結合蛋白(PBP)が、ペニシリン結合蛋白2’(PBP2’)に変異していることで、細胞壁の合成を阻害することができなくなってしまっている。
治療薬
治療薬の覚え方としては、「定番(のMRSA)だって(治療するのは)無理あるべ」といったゴロで私は覚えている。
てい:テイコプラニン(点滴)
ばん:バンコマイシン(点滴)
だ:ダプトマイシン(点滴)
む:ムピロシン(軟膏)
り:リネゾリド(点滴、内服)
あるべ:アルベカシン(点滴)
微生物学などの試験で問われるのは、この治療薬の名前と、それらの薬は何系の薬かということだ。
基本的には、グリコペプチド系としてテイコプラニンとバンコマイシン、アミノグリコシド系としてアルベカシンを抑えておけばいい。(私はこのゴロの最初2つがグリコで、最後1つがアミノグリコシドと覚えた)