クワシオルコル
クワシオルコルとは蛋白質の重度の欠如によって起こる病態である。エネルギーは十分でも蛋白質が不足している。
東南アジアのお腹がぷくっと膨らんでいる子供達の写真を見たことがある人は多いだろうが、あれがクワシオルコルである。あれは、2人目の子供が生まれると最初の子供に母乳が与えられなくなり、糖質中心の離乳食を与えてしまうことで起こってしまう。
(著作権の関係上ここには写真を載せられないので、検索してイメージを持つといい。)
蛋白質が不足してしまうと、アルブミン(蛋白質で構成)が低下する。そして血管内の浸透圧が低くなり、水分が血管ないから間質(血管外)に移動してしまい、浮腫や腹水が生じる。また、蛋白質不足により脂肪運搬のアポリポタンパク質が不足することで生じる脂肪肝によって腹部膨張が促進される。
症状は、腹水貯留や浮腫である。
日本においては、敗血症や手術後、外傷後、熱傷後などの蛋白の欠乏によって生じることが多い。
マラスムス
マラスムスはエネルギーと蛋白質の重度の欠乏によって起こる病態である。
血清アルブミンの低下が起こらないことが特徴である。よって浮腫や腹水は生じない。
体重が著しく減少し、著明な衰弱、老人様顔貌、高度な発育障害を生じる。飢餓、長期間の栄養摂取不足、神経性食思不振症などで生じることが多い。