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【予防】インフルエンザの予防に「本当に」効果的なもの。

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以前、『インフルエンザにワクチンは効果がないのか?』というエントリーを書き、ワクチンは発症予防や重症化予防に効果的だけど、完全には防げないよーという話をしました。

【予防】インフルエンザにワクチンは効果がないのか?

 

今日は予防に関して書こうと思います。

つい最近、友人からインフルエンザの予防に関して面白い記事を書いている主婦の方がいると思い、興味本位で読んでみました。以下が彼女の記事になります。

二次感染しなかった秘策

書いていることは主に4つ

・感染した子供にマスクを着用してもらった。

・感染した子供を他の子供達からなるべく遠ざけた。

加湿空気洗浄機で湿度の管理を行った。

除菌スプレーで除菌を行った。

これで二次感染を防げたようです。

インフルエンザワクチンの接種については何も書かれていないので不明ですが、二次感染を防げたことはすごいことだと思います。

さて、私のエントリでは、彼女が行った予防対策が医学的根拠に基づいて有効であったかどうかを検証していきたいと思います。

①マスクの着用に効果はあるのか。

マスクを着用することで予防効果はないという結果が香港とシドニーで行われた研究によって明らかにされたようです。私も他の論文を検索してみましたが、意外かもしれませんが、マスクの着用に関してはあまり効果があるという論文はなかったです。

今回の主婦の方は、感染した子供にマスクを茶器し、「隔離」したことによって他の子供達との接触を回避したことが予防に繋がったのではないかと考えます。

②加湿は効果があるのか?

以前まで加湿によって感染率が落ちるとされていましたが、2018年のSeema Lakdawala氏らによる研究で、湿度の変化によって感染力は弱まったり強まったりしないことがわかりました。

湿度が高くてもインフルエンザウイルスの感染力は弱まらない?

この研究によって新たに考えられた予防策としては、湿度云々よりも「換気」をすることの重要性です。空気洗浄機に、紫外線照射で殺菌する機能がついていた場合、それは予防対策につながるだろうということが書かれています。

2007年に発行された論文には、「20℃以上で、且つ相対湿度50%以上の環境で感染は抑えられる」という研究結果もあり、一概に2018年の研究結果が正しい言い切ることはできません。

インフルエンザウイルスの伝染は相対湿度と温度に依存する

しかしいずれにせよ、加湿(殺菌もできる)洗浄機の導入は効果があるのは間違いないようですね。

③除菌は効果があるのか?

除菌というか医学的な表現としての「殺菌」はインフルエンザウイルスを殺す行為なので、もちろん効果はあると思います。アルコール消毒でインフルエンザウイルスは殺菌されます。

先程のブログの主婦の方が使われていた「アイポッシュ」という製品は、弱酸性次亜塩素酸という成分が入っており、これはウイルスに効果的に殺菌できるものとして有名です。

 

医学論文を鵜呑みにするな、しっかり条件や背景も考えながら利用しろというのが医学教育の一環で教えられることです。今回、多くの医学論文に基づいて考察しましたが、みなさんの役に立てれば幸いです。

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